いってみた、やってみた

いってみた、やってみた

へなちょこ男が世界に挑む奮闘記(そして負けます)

タシケント到着後ボッタクリを避ける唯一の方法

ぼったくりの巣窟

ウズベキスタンの首都タシケントに到着した。

到着早々、あまりにシンプルな作りの空港に驚かされ、これがウズベキスタンの玄関口かと衝撃を受けたのであった。
私の荷物は、成田から韓国、アシアナ航空を通じて送られていたわけだが、他の一般客と別ルートの扱いになっていたようで、やたら早くターンテーブルに現れた。
他の乗客がいくら待っても荷物を受け取れないのを横目に、私は、あっという間に荷物を抱えてタシケントへの第一歩を踏み出そうとあるき始めたのであった。
しかし、荷物を受け取ったはいいが、両替の場所が見当たらない。
受け取り場所と、空港出口はわずか数十メートルほどで、誰がどう見てもその間に両替ができる場所は存在していない。
困っていると、なんと、入国審査の方に引き返したところの右端に人が集まっているのを目撃した。
案の定そこが両替処であり、観光客がガヤガヤと列をなしていた。
看板もまったくなく、不親切とかいうレベルではないわかりにくさに、私はこれからのウズベキスタンの旅がどうなっていくか思いを馳せたのであった。
そんなこんなで125ドルもの大金をスムに両替し、私は国際空港を出発した。
空港を出ると、タクシードライバーの大群が私に群がってきた。
私は一番アグレッシブそうなドライバーから逃げ、少し遠くにいた朝青龍似のドライバーと交渉を始めた。
私の予約していたホステルは、空港から直線距離で7kmほどのところにある。
そんなところへ向かうのにドライバーは10ドルを要求してきた。
10ドルと聞けば大したことのないような値段にも思えるが、この国では大金である。
なにせ私がこれから行こうとしているホステルの一泊がそもそも10ドルなのだから、それと同じ値段をタクシー代に取られてはたまらない。
私は必死の形相で、そもそもドル払いをしたくないということ、さらに値段が高すぎることを伝え、朝青龍と交渉を続けたのであった。

交渉続く

私は、交渉を続けたものの、なかなか65000スムから値段が下がらない。

一度は他のタクシードライバーのところに行く素振りを見せたのだが、どうやらドライバー同士で結託しているのか、特に焦る様子もない。
私のようなひ弱そうな奴がいくら騒いだところでこれ以上は交渉が進まないであろうと察知した私は、納得がいかないながらもホステルに向かうことにした。
この時点で、空港を出てから30分近くは経過しており、私の荷物が早々に出てきたことなどほぼ何の意味もなさなくなっていたのであった。
タクシードライバーはそうは言ってもなかなかフレンドリーな人であった。
かつて日本人女性旅行者を長距離乗せたことがあったらしく、彼女と友達になってInstagramを交換したのだということを教えてくれた。
彼はとても日本が好きで、いつか日本にも行ってみたいと言っていた。
ちなみにここまでのやり取りは一応英語だが、基本的にはシンプルな数単語ずつでしか会話は成立せず、後は身振り手振りと、顔の表情だけで意思疎通を図っていた。ウズベキスタンではなかなか英語が通じず、これからも苦労することになるのであった。
無事、ホステルに到着し、ドライバーに交渉どおり65000スムを手渡した。
なんだが腑に落ちない感じであったが、とりあえずホステルにチェックインしないといけないのでこの出費はしょうがないと考えることにした。

Yandexという抜け道

ホステルにチェックインをして、受付のお姉さんにふと、空港からここまでのタクシー相場について尋ねてみた。

そうね、8000スムくらいかしら。
唖然である。
ボッタクられたのは良くわかった。
しかし、8倍もボッタクられるとはもはやいったいどういう気持ちでいればいいのか。
歌舞伎町でフルーツ盛り合わせを頼んだら20万円請求されたおじさんの気持ちだろうか。
2-3倍くらいは不愉快ながらも覚悟していた。
まさか8倍取られるとは。
ドライブ中の親日アピールは何だったのか。
金をバンバン落としてくれるカモの輩出国である日本はそりゃあ好きになるだろう。
これからも朝青龍は日本人から笑顔で金をふんだくるのであろう。
到着早々絶望的な気分になっていたところに、受付のお姉さんがひとこと。
「Yandexのサービス知らないの?」
Yandexとは、ロシアのインターネットサービスである。
ヤフーとかそんなのと一緒である。
旧ソ連圏であるウズベキスタンは何かとロシアとのつながりが多いのだが、そんなロシア系インターネットサービスであるYandexがタシケント市内ではUberのようなタクシーサービスを提供しているのだそうだ。
地元民に聞いたからには確かめなければならない。
ボッタクられ傷心の中にあった私は早速Yandexタクシーを使うことに決めたのであった。
使い方は簡単である。
アプリをインストールして、タクシーを呼ぶ。
ほぼそれだけの工程だ。
一応番号認証が要求されるのでそこだけは携帯キャリアの海外サービス等を見て少し注意が必要だが、基本的にはインターネット接続さえあれば即使用可能だ。
私は初日だけ、ドコモの海外パケットサービスを申し込んで、現地でsimカードを手に入れるという作戦を立てていた。
早速このYandexタクシーを使ってsim販売店へ向かうこととした。

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ナンバーとおおよその到着時間が出てくる。これに従って乗り込むだけだ。
目的地を設定すると、おおよその値段が出てくる。
大体市内のどこからどこに向かうのでも10000スム行くか行かないかくらいの値段だ。
私が先程払った65000スムがいかに高額であったかを再び認識したあと、タクシーを呼びつけることとした。
わずか2分ほどで到着した車は清潔でドライバーもなかなかフレンドリーな人であった。
目的地のアミールティムール広場まで10000スムほど、Uberと同様Yandexタクシーのドライバーはプロではないと思われるが、はっきり言って車は空港からのタクシーよりも大きく、乗り心地も良かった。
支払いは、一応クレジットもできるようだが、外国製カードは無理だとか、うまくいかないだとか色々と書いてあったので、100%キャッシュで行っていた。
一度だけ、相手がお釣りを持っていないことがあったが、ほとんど細かいお釣りでもしっかりと返してくれ、ますますYandex以外のタクシーを利用する理由がなくなっていった。

ウズベキスタンタシケントに到着する方へのアドバイスである。

まずはYandexタクシーをインストールしよう。

また、空港内で声を掛けてくるドライバーは100%ぼったくる気満々なので無視するか、自分には迎えがいるなどと言って巻いてしまおう。
空港内に車が侵入するためには数千スムほどかかるようなので、どうしてもそれを払いたくない人は空港の敷地から外に出てしまうことをおすすめする。
空港の敷地は大して広くないので、駐車場を突っ切っていけばすぐに車道である。
そして、そこからYandexタクシーを呼びつければわずか10000スムほどで市内のどこでも行き放題である。
もちろん、白タクに乗ってしまったとしても交渉の余地はあると思う。
私のような旅慣れていない人間は長時間の交渉を苦痛だと感じてしまうのだが、粘り強く交渉すれば8倍のボッタクリにはあわないのではないだろうか。
これからウズベキスタンを訪れる人たちにはぜひ、旅行の文字通り第一歩でつまずかないようにしていただきたい。