アメリカ旅行に必要な英語力とは
あ、わからない
英検一級って何の役に立つのだろう
ニューヨークに無事降り立った私であったが、ひとつ心配なことがあった。
それは言語が違うことである。
かつてアメリカに住んでいたとはいえ遥か昔のこと、日本の英語教育に染まり切った私は英語コミュニケーションの練習を行ってこなかったのである。
当時、英語検定一級を取得していたため英語力にはそこそこ自信があったのだが、いざニューヨークで実戦に臨むとそれはそれは苦労したのであった。
英語検定一級を取ることと英語でコミュニケーションを取れるようになることとは全くの別問題であることを身をもって痛感したのであった。
ユー二ーダーベァー?
まずスーパーやコンビニに行くと、会計の際に聞かれることがあった。
それがこの魔法の言葉ユーニーダーベァー?である。
最初は全く意味が分からず何回も聞きなおしていたのだが、どうやら、You need a bag?と聞いているのである。
そもそもビニール袋をbagと表現することすら思い浮かばなかった当初の自分にはユーニーダーべァーが呪文にしか聞こえなかったのである。
その他の状況でも、突然話しかけてくる人が何を言っているかわからない、店員がいろいろ聞いてくるものの撃沈、、、等々思い出すだけでも悲しくなってくるエピソードが山のように発生した。
何故英語がわからないのか
何故、ユーニーダーべァ=?が分からないのか。
そこで問題となるのはなぜ私は英語が聞き取れなかったのかである。
英語検定一級を取っていれば当然のように英語ペラペラであると一般的に想像されていてもおかしくはない。
それなのに「袋いりますか」すらわからないとはどういうことなのか。
考えられる要因
①リスニング力不足
英語検定一級は四技能を試す試験となってはいるもののそのかなりの割合が単語ゲーである(別記事にて掲載予定)
リスニングが圧倒的に得意だったわけではない私にとってはある意味助けとなったのだが、それが結局コミュニケーションの要たる相手の言っていることを理解する能力の欠如につながったのではないか。
②現地人の発音
これは大いに関係あるように思われる。
普段の英語教材で聞く英語とは明らかに違った発音をする人が多い。
スーパーで働くお姉さん方などあまりに何回も言っている決まり文句であるということもあるのか日本のラーメン屋における「っしゃいっせー」並みにYou need a bag?が(そもそもDo you need a bag?が適切である)変化しているようにも思われる。
③文脈
これはかなりの盲点である。
何が言いたいかというと、コミュニケーションとは結局のところかなり文脈依存であるという点だ。
普通に考えてスーパーで買い物をして、お姉さんが何か聞いてくることと言えば袋がいるか、とかカードを持っているかとかそのようなことしかないはずだ。
私が当時戸惑ってしまったのはそのような単純な質問をされているにもかかわらず、何かすごく突飛なことを言われてしまったのではないかという一種のパニック状態に陥ってしまったことにもかなり関係があるように思う。
実際に、旅行中に一対一でドミトリーに泊まっていた現地のアメリカ人男性と話をする機会があった。
その時はお互いの仕事やアメリカと日本のことなど、「何について話しているか」がかなり明確だったこともあり、彼との会話中リスニングが出来なかった部分はほとんどなかったのだ(もちろん彼が明瞭に話してくれたこともあると思うが)
逆の驚き
意外と通じる
そして逆の驚きもあった。
リスニングはボロボロのことが多かったものの、逆にこちらが言いたいことは結構伝わっていることがあった点である。
RとLの発音だとかTHの発音だとか、いろいろと日本人が苦手とされる発音は多い。
私もなかなかうまく言えないことも多かったのだが、こちらが言っていることが全く何の引っ掛かりもなく伝わらないということは驚くほど少なかったのである。
これはニューヨークという超世界都市という特殊性もあるかもしれない。
世界中から人が集まるニューヨークでは完璧な英語を話す人のみならず、英語がさっぱりの人、強いアクセントを持つ人さまざまな人が日々行きかっている。
そのような中で、発音に関して多少のずれがあっても許容できるような耳を人々は身に着けているのかもしれない。
覚えていてほしいこと
アメリカに行こうと考えているものの英語が不安という方には、ぜひ恐れずに挑戦していってほしいと思う。
アメリカ人は変なポイントで超絶ぶっきらぼうである一方で、結構な割合でフレンドリーである。
下手でも何かを伝えようとしている人の言うことはちゃんと聞いてくれる。
移民国家の懐の広さというべきか、いろいろな人がいるからこそチマチマしたところばかりにこだわる人はあまりいないようである。
アメリカ旅行で一番大事なのは、必要なことを確実に伝える能力である。
そういう意味においては「英語力」は決して高くなくても大丈夫である。